バリアフリーとユニバーサルデザインの違い|住まいで使う基本用語

バリアフリーリフォームの基礎知識

リフォーム会社の提案書やカタログを開くと、バリアフリーとユニバーサルデザインという言葉が並んで出てきます。どちらも住まいを使いやすくする話に読めるため、違いを聞かれると答えに詰まる方は多いものです。

二つの言葉は、出発点が正反対にあります。バリアフリーはすでにある段差や狭さを後から取り除く発想で、ユニバーサルデザインははじめから誰でも使えるように作る発想を指します。ここを取り違えると業者の説明とかみ合わず、親には合わない工事に費用をかけることにもなりかねません。

そこで、二つの違いと7原則の中身、混同されやすい関連用語、住宅の基準に出てくる公的な言葉までをまとめました。用語の意味をはっきりさせてから業者と話したい方は、ぜひ参考にしてください。

  1. バリアフリーとユニバーサルデザインの違い
    1. バリアフリーはすでにある障壁を後から取り除く
    2. ユニバーサルデザインははじめから誰でも使えるように作る
    3. 対象は困っている方かすべての方かで分かれる
  2. ユニバーサルデザインの7原則
    1. 7原則はノースカロライナ州立大学のグループがまとめた
    2. 公平さと自由度は使い方を選べるかで決まる
    3. 分かりやすさとうっかりミスへの備えが事故を防ぐ
    4. 少ない力で使える寸法と空間が住まいに効く
  3. 住まいの中のユニバーサルデザインの例
    1. レバーハンドルは握力が落ちても開けられる
    2. 引き戸は体をずらさずに出入りできる
    3. センサー水栓と大きなスイッチは手がふさがっても使える
  4. 混同されやすい関連用語
    1. ノーマライゼーションは暮らしの場を分けない考え方
    2. アクセシビリティは近づいて使えるかどうかを指す
    3. インクルーシブデザインは当事者が作る側に加わる
    4. ユニバーサルデザインは完成形でなく目指す方向
  5. 住まいの基準に出てくる公的な用語
    1. 高齢者等配慮対策等級は住宅の性能を5段階で表す
    2. バリアフリー法は建物と交通の移動を対象にする
  6. リフォームでユニバーサルデザインの考え方を使う
    1. 介護用の家に見せないと本人が受け入れやすい
    2. 家族全員が楽になる仕様を選ぶと無駄が出ない
    3. はじめから作るなら新築や住み替えで効く
  7. まとめ

バリアフリーとユニバーサルデザインの違い

二つの言葉の差は、どちらが優れているかではなく、どこから出発するかにあります。ここでは、それぞれの発想と対象の違いを説明します。

バリアフリーはすでにある障壁を後から取り除く

バリアフリーは、暮らしの中にすでにある障壁(バリア)を見つけて取り除く発想を指します。玄関の上がりかまちが高くて上れない、浴室のまたぎが深くて危ないといった困りごとが先にあり、それを解消するために手すりを付けたりスロープを渡したりする流れになります。困っている方の状態が出発点なので、誰の何を解消するのかがはっきりしているのが持ち味です。

バリアフリーは、困りごとが起きてから、その障壁を狙い撃ちで取り除く後追いの発想です。親の体の変化に合わせて手を打てる反面、状態が変わるたびに直し続けることにもなります。家全体の工事内容や進め方から押さえたい方は、バリアフリーリフォームの基本もあわせて読んでおくと、用語と工事がつながって理解しやすくなるでしょう。

ユニバーサルデザインははじめから誰でも使えるように作る

ユニバーサルデザインは、障壁が生まれる前に、はじめから誰でも使えるように作る発想を指します。提唱したのはアメリカの建築家ロン・メイスです。ユニバーサルデザイン7原則では「すべての人にとって、できる限り利用可能であるように、製品、建物、環境をデザインすること」と定義され、デザイン変更や特別仕様が必要なものであってはならない、と続きます。

後から特別な改造を足さずに済ませる点が、この考え方の核にあたります。たとえば最初から引き戸で作られた家なら、車椅子を使う日が来ても扉を替える工事は要りません。困りごとが起きてから動くバリアフリーに対し、起きる前に幅を持たせておくのがユニバーサルデザインだと押さえてください。

対象は困っている方かすべての方かで分かれる

対象とする相手も、二つの言葉では違います。バリアフリーが向き合うのは、段差や狭さで実際に困っている高齢者や障害のある方です。改修の目的が「その方の困りごとを消すこと」に絞られるので、手すりの高さも位置も、使う本人の体格や麻痺に合わせて決めます。

ユニバーサルデザインが向き合うのは、子どもから高齢者まで、その家に出入りするすべての方です。特定の誰かに寄せるのではなく、幅広い体格や能力に耐える作りを最初から選びます。親のためだけの工事なのか、家族と来客まで含めた作りなのか。この問いを持っておくと、業者の提案がどちらの発想で組まれているかを見分けられます。

二つの違いを、下の表にまとめました。

見る点 バリアフリー ユニバーサルデザイン
出発点 すでにある障壁 障壁が生まれる前の作り
動く順番 困りごとが起きてから はじめから
対象 困っている方 すべての方
手段 後から取り除く(改修・補助) 図面の段階で織り込む
住まいの例 段差に後からスロープ 最初から段差のない床

ユニバーサルデザインの7原則

ユニバーサルデザインには、作り手が拠りどころにする7つの原則があります。ここでは、原則がまとまった経緯と、住まいに効く中身を見ていきます。

7原則はノースカロライナ州立大学のグループがまとめた

7原則は、ロン・メイスを含む建築家や工業デザイナー、技術者、環境デザインの研究者らのグループが1997年にまとめたものです。ユニバーサルデザイン7原則(The Center for Universal Design, North Carolina State University)にVersion 2.0として示され、日本語訳は古瀬敏氏らが担当しました。建物だけでなく、製品や情報の伝え方まで届く広さを持つのが特色にあたります。

7つは、公平さ、自由度、分かりやすさ、情報の伝わり方、うっかりミスへの備え、体への負担、寸法と空間という並びです。原則の文書自体が、既存のデザインを評価する物差しにも、これから作るものの方向づけにも使えると述べています。住まいのリフォームでは全部を暗記する必要はなく、次に挙げる4つの塊で捉えておけば十分でしょう。

公平さと自由度は使い方を選べるかで決まる

原則1の「誰にでも公平に利用できること」と、原則2の「使う上で自由度が高いこと」は、住まいでは同じ場面に現れます。公平さの中身は、誰もが同じ方法で使えるようにし、差別感や屈辱感が生じないようにすることだと原則文書に書かれています。玄関の脇に「介護用」と貼った別入口を作るのではなく、家族も客も同じ扉から入れる作りが、この原則にかないます。

自由度のほうは、右利きでも左利きでも使えるようにし、使いやすいペースに合わせられるようにすることを指します。廊下の手すりを左右どちらにも付けておく、水栓を握りでもレバーでも操作できるものにする、といった選択が当てはまるでしょう。使い方を一つに決め打ちしない構えが、親の状態が変わったときの直し直しを減らします。

分かりやすさとうっかりミスへの備えが事故を防ぐ

原則3から原則5までは、迷わせない、伝わる、間違えても危なくない、という並びになっています。原則3は「不必要に複雑にしない」「直感的にすぐに使えるようにする」ことを求め、原則4は大切な情報を文字や手触りなど異なった方法で併用して伝えるよう促します。給湯器のパネルの文字が小さくて読めない、スイッチのどれが何か分からないという不満は、この2つに引っかかっている状態です。

原則5は「うっかりミスや危険につながらないデザインであること」で、危険なものはなくすか隔離するか覆い、間違っても安全なように配慮する(フェイルセーフ)ことを挙げています。高齢の親の暮らしでは、うっかりミスは起きるものとして先に備えるほうが現実的です。消し忘れても自動で止まるコンロや、切り忘れても事故にならない機器を選ぶ判断が、この原則の当てはめにあたります。

少ない力で使える寸法と空間が住まいに効く

原則6の「無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること」と、原則7の「アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること」は、リフォームの見積もりに直結します。原則6は自然な姿勢のままで使えること、あまり力を入れなくても使えることを求めるので、握力の落ちた手でも回せる金物や、軽い力で動く建具が候補になります。

原則7は、立っていても座っていても重要なものが見え、手が届くこと、補助具や介助者のためのスペースを十分に確保することを挙げています。廊下の幅、扉の開口、便器まわりの余白といった寸法の話で、後から広げるには壁を壊す工事が要る部分です。だからこそ、幅と空間だけは早い段階で決めておくと後悔が少なくなります。

住まいの中のユニバーサルデザインの例

ユニバーサルデザインは、特別な設備の名前ではなく、身近な建具や器具の形に現れます。ここでは、住まいでよく採り入れられる3つの例を見ていきます。

レバーハンドルは握力が落ちても開けられる

握り玉(丸いノブ)をレバーハンドルに替えるのは、費用が小さいわりに効く入れ替えです。丸いノブは握って回す動作が必要なので、握力が落ちたり手がぬれていたりすると空回りします。レバーハンドルなら、下向きに押すだけで掛け金が外れ、肘や手の甲でも開けられます。

この形が高齢者だけを助けるわけではない点が、ユニバーサルデザインらしいところです。荷物を抱えた家族も、手が小さい子どもも、同じ動作で扉を開けられます。「親のために替える」ではなく「全員が楽になるから替える」と言えるので、本人が身構えずに受け入れやすい変更でもあります。

引き戸は体をずらさずに出入りできる

開き戸を引き戸に替える工事も、幅広い方に効く選択にあたります。開き戸は、扉が動く弧の分だけ体を後ろに引く動作が要り、杖や車椅子を使う方には狭い場所ほど負担になります。引き戸は横に滑らせるだけなので、体をずらさずに通れ、開けたまま止めておくのも簡単です。

介助が必要になった場面でも、引き戸なら扉を全開にしたまま2人で通れます。掃除機を持って移動するときや、大きな家具を運び入れるときにも同じ利点が働くでしょう。閉める力も軽く済むので、握力が落ちた手や、荷物で片手がふさがった状態でも扱えます。開口の幅を広めに取っておくと、車椅子を使う日が来ても建具を替えずに済むので、寝室や便所の扉から替える順番を業者と相談してみてください。

センサー水栓と大きなスイッチは手がふさがっても使える

洗面所や台所のセンサー水栓は、手をかざすだけで水が出る器具です。握って回すハンドルと違い、握力や手首の動きに頼らずに使えます。石けんで手が滑るときや、片手に鍋を持っているときにも困らないので、家族全員が恩恵を受けるでしょう。水を出しっぱなしにする無駄が減る点も、毎日の暮らしでは効いてきます。

壁のスイッチも、面積の広いワイドタイプに替えると、指先が思うように動かなくても手のひらや肘で押せます。文字が大きく、暗がりで光るタイプなら、夜中にトイレへ立つときも迷いません。どれも介護用品の見た目にはならないので、家の雰囲気を変えずに使いやすさだけ足せます。水栓もスイッチも、浴室や台所を直すときについでに替えると工事費を抑えられるので、他の工事と時期を合わせて業者に相談してください。

混同されやすい関連用語

バリアフリーの周りには、意味の重なる言葉がいくつも並んでいます。ここでは、業者やケアマネジャーの話に出てくる4つの言葉を見ていきます。

ノーマライゼーションは暮らしの場を分けない考え方

ノーマライゼーションは、障害のある方も高齢の方も、特別な場所に隔てず、当たり前の暮らしを地域で送れるようにする考え方です。1950年代のデンマークで、知的障害のある方の施設収容に対する異議から生まれ、北欧を経て世界に広がりました。建物の作り方の話というより、社会の側の構えを指す言葉にあたります。

住まいの文脈では、「施設に移すのでなく、住み慣れた家で暮らし続けられるようにする」という判断の背景にこの考え方があります。バリアフリー改修やユニバーサルデザインは、その暮らしを成り立たせるための手段の位置づけです。言葉の階層が一段違うと捉えておくと、話の中で迷いません。

アクセシビリティは近づいて使えるかどうかを指す

アクセシビリティは、その場所や物に近づいて使えるかどうかの度合いを指します。建物なら、車椅子で入口まで行けるか、便所を使えるか。情報なら、目が見えにくい方に文字が届くか。誰でも使えるように作るという方向を示すユニバーサルデザインに対し、アクセシビリティは「使えるか、使えないか」を測る物差しの側にあります。

近ごろはウェブサイトの文脈で耳にする機会が増えましたが、もとは建物や交通の分野で使われてきた言葉です。「アクセシビリティが低い」と言われたら、まだ届いていない人がいる状態を指します。測る言葉と目指す言葉、と分けて覚えると混同しにくくなるでしょう。

インクルーシブデザインは当事者が作る側に加わる

インクルーシブデザインは、高齢者や障害のある方を「使う人」でなく「作る人」として企画の段階から迎え入れるやり方です。イギリスで広まった手法で、当事者と一緒に考えることで、作り手だけでは気づけない使いにくさを早い段階で拾えます。誰でも使えるものを目指す点はユニバーサルデザインと同じで、そこへ至る進め方に力点を置いた言葉です。

家のリフォームに引き寄せると、親を抜きにして子と業者だけで決めないやり方が、この考え方に近くなります。手すりの高さも、便器の向きも、実際に使う本人が現場で試して決めたほうが外しません。打ち合わせに親本人を呼べるなら、できるだけ同席してもらってください。

ユニバーサルデザインは完成形でなく目指す方向

「ユニバーサルデザインなら誰でも使える」と言い切りたくなりますが、原則の文書自体はそこまで踏み込んでいません。7原則の末尾には、これらの原則は「できるだけ多くの人達の要求に対応できるような特徴を、よりうまく組み込んで理想的なデザインを目指すにあたっての、デザイナーへの指針である」と書かれています。経済性や技術的な条件など、使いやすさ以外の条件も考えに入れる必要があるとも述べられています。

つまり、すべての人に完璧に合う唯一の正解が存在するわけではありません。重い麻痺のある方には、やはり本人に合わせた個別の改修が要ります。ユニバーサルデザインで土台の使いやすさを広く取り、足りない分をバリアフリー改修で埋める。この二段構えで考えると、業者との話が現実的に進みます。

言葉の並びを、下の表にまとめました。

用語 指すもの 住まいでの現れ方
バリアフリー ある障壁を取り除くこと 段差の解消・手すりの設置
ユニバーサルデザイン はじめから誰でも使えるように作ること 引き戸・レバーハンドル
ノーマライゼーション 暮らしの場を分けない社会の構え 在宅で暮らし続ける選択
アクセシビリティ 近づいて使えるかの度合い 車椅子で便所を使えるか
インクルーシブデザイン 当事者が作る側に加わる進め方 本人同席の打ち合わせ

住まいの基準に出てくる公的な用語

制度の話になると、法律や等級の名前が急に増えます。ここでは、住宅で行き当たりやすい2つの公的な言葉を見ていきます。

高齢者等配慮対策等級は住宅の性能を5段階で表す

新築や中古住宅の資料を見ていると、高齢者等配慮対策等級という項目が出てきます。住宅性能表示制度の中で、高齢者などへの配慮の程度を表す等級で、住宅性能評価・表示協会によると等級5から等級1までの5段階で示されます。専用部分(住戸の中)は介助式車椅子を使う居住者を想定し、共用部分(建物の出入口から住戸の玄関まで)は自走式車椅子を使う居住者を想定して評価される仕組みです。

判断は、移動時の安全性への配慮と、介助のしやすさへの配慮の組み合わせで決まり、上の等級ほど通路の幅やスペースに余裕が求められます。数字が大きいほど手厚い、とだけ覚えておけば資料は読めます。中古住宅を買って直す道を考えている方は、この等級が付いているかを不動産会社に聞いてみてください。

バリアフリー法は建物と交通の移動を対象にする

バリアフリー法は通称で、正式には「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」といいます。国土交通省のバリアフリーのページによると、建築物や公共交通機関、路外駐車場、都市公園、道路を対象とし、ハートビル法と交通バリアフリー法が一体となって平成18年12月に施行されました。平成30年と令和2年の改正では、心のバリアフリーやソフト面の取り組みも加えられています。

対象はあくまで一定規模以上の建築物や公共の施設で、個人の住宅の改修をこの法律が直接縛るわけではありません。住宅側の物差しは、住宅性能表示制度の等級や、国土交通省の高齢者が居住する住宅の設計に係る指針(令和4年3月31日 国土交通省告示第406号による最終改正)が担っています。名前が似ているので、業者の説明を聞くときは住宅の話か公共施設の話かを確かめましょう。

注意

バリアフリー法は建築物や公共交通機関を対象とする法律で、個人の住宅リフォームを直接縛るものではありません。住まいの物差しは住宅性能表示制度の高齢者等配慮対策等級や、国土交通省が住宅向けに示している指針のほうにあたります。業者が「法律で決まっている」と説明したときは、何の基準を指しているのか必ず確認してください。

リフォームでユニバーサルデザインの考え方を使う

用語の違いが分かると、業者への頼み方まで変わります。ここでは、ユニバーサルデザインの発想が実際の改修で効く場面を見ていきます。

介護用の家に見せないと本人が受け入れやすい

手すりを付けようと持ちかけて、親に断られた経験のある方は少なくありません。断る理由は不便さではなく、「まだそんな歳じゃない」という気持ちのほうにあります。介護用品の見た目をした金物が家に増えるほど、自分が衰えたと突きつけられる感覚が強くなるためです。

全員が使うものとして入れると、同じ工事でも本人の抵抗は下がります。木目の手すりを廊下の装飾として付ける、握り玉をレバーハンドルに替えて「家族みんなが開けやすいから」と伝える、といった持ちかけ方です。設備の性能が同じなら、受け入れてもらえる形を選ぶほうが結局は早く進みます。

家族全員が楽になる仕様を選ぶと無駄が出ない

親のためだけに寄せた改修は、状態が変わると使われなくなることがあります。体格や麻痺に合わせて位置を決めた金物ほど、別の方には合いにくくなるためです。全員が楽になる仕様を選んでおくと、親が使わなくなった後も家の使いやすさとして残ります。

段差のない床は、その代表にあたります。国土交通省の高齢者が居住する住宅の設計に係る指針は、日常生活空間内の床を段差のない構造(5ミリメートル以下の段差が生じるものを含む)とすることを基本レベルに挙げています。つまずきを防ぐだけでなく、掃除機もベビーカーも滑らかに動くので、どの世代にも効く選択です。

はじめから作るなら新築や住み替えで効く

ユニバーサルデザインの発想がいちばん活きるのは、まだ何も建っていない段階です。廊下の幅や扉の開口、便所と寝室の位置関係は、後から変えるには壁を壊す工事が要ります。図面の上で線を数十センチ動かすだけなら、費用はほとんど変わりません。

既存の家でも、これから直す部分にはこの発想を差し込めます。浴室を直すついでに開口を広めに取る、床を張り替えるついでに段差をなくす、といった重ね方です。新築や住み替えで根本から考えたい方は、バリアフリー住宅の特徴とメリットもあわせて読んでおくと判断の幅が広がります。

まとめ

バリアフリーとユニバーサルデザインの違いは、出発点にあります。バリアフリーはすでにある障壁を後から取り除く発想で、対象は困っている方です。ユニバーサルデザインははじめから誰でも使えるように作る発想で、対象はその家に出入りするすべての方になります。ロン・メイスらがまとめた7原則は、公平さや自由度、分かりやすさ、少ない力で使える寸法と空間まで、住まいの判断に使える物差しです。

住まいで採り入れるなら、レバーハンドルや引き戸、センサー水栓のように「介護用に見えないのに全員が楽になるもの」から始めると、本人の抵抗が下がります。ノーマライゼーションやアクセシビリティは意味の階層が違う言葉で、高齢者等配慮対策等級やバリアフリー法は公的な物差しの名前です。用語が分かれば業者の提案の狙いも読み取れるので、気になる説明が出てきたら「どちらの発想の工事か」を尋ねてみてください。新築や住み替えまで視野に入れて考えたい方は、バリアフリー住宅の特徴とメリットもあわせて役立ててください。

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