介護用品はどこで買える?店舗・通販・介護保険レンタルの選び方

福祉用具・介護用品

親の介護が始まると、車いすや手すり、大人用おむつまで、そろえる物が急に増えます。近所のホームセンターで足りるのか、それとも専門店へ行くべきか、通販で頼んでいいのか、最初は見当がつかないものです。

やっかいなのは、同じ商品でも「どこで買うか」で値段も保険の使えるかどうかも変わる点でしょう。とくに介護保険でレンタルや購入ができる用具は、店で普通に買う一般の商品とは扱いがまったく違います。ここを知らずに買うと、本来1割負担で済んだものを全額払うことにもなりかねません。

この記事では、介護用品が買える6つのルートを保険適用の有無・価格帯・試せるかで比べ、店舗と通販の使い分け、そして介護保険を使うときの条件までをまとめました。自分の状況に合う買い方を見つける手がかりとして役立ててください。

介護用品の主な入手ルート

介護用品を買える場所は一か所ではなく、性格の違う窓口がいくつもあります。どこか1つで全部そろえる必要はなく、品目ごとに向いた買い方を選べば、費用も手間も抑えられます。ここでは主な6つのルートと、選ぶときの判断の順番を見ていきます。

介護用品が買える場所は6つある

介護用品の入手ルートは、大きく分けて6つあります。介護用品専門店・ホームセンター・ドラッグストア・大手通販・介護保険を使ったレンタルや購入・中古の6つです。同じ車いすでも、専門店なら実物を試せ、通販なら価格を抑えられ、保険レンタルなら月あたり数百円で借りられるというように、窓口ごとに強みが異なります。

まずは全体像を表でつかんでおきましょう。

入手ルート 介護保険 価格帯 相談 試せるか
介護用品専門店 使える店が多い 中〜高 できる できる
ホームセンター 使えない 安〜中 難しい 一部できる
ドラッグストア 使えない 難しい できない
大手通販 使えない 安〜中 サイトによる できない
介護保険レンタル・購入 使える 自己負担1〜3割 できる 試せる場合あり
中古・リサイクル 使えない 難しい 物による

この表を手元に置き、買いたい用具ごとにどの列を重視するかで窓口を決めると、迷いが少なくなります。急ぎたいのか、費用を抑えたいのか、優先順位を先に決めておくと選びやすいでしょう。

介護保険が使えるかでまず分かれる

窓口を選ぶ前に確かめたいのが、その用具が介護保険の対象かどうかです。車いすや介護ベッドのように保険給付の対象になる用具は、店で普通に買うと全額自己負担になりますが、決められた手順を踏めば自己負担1〜3割で使えます。

保険を使う場合は指定を受けた事業者を通すのが条件で、一般の店やネット通販で同じ物を買っても給付されません。 どの用具が保険の対象かは自分では判断しづらいものです。担当のケアマネジャーに「これは保険で借りられるか」を確認するところから始めると確実でしょう。介護保険の全体像や対象になる用具の種類は、介護用品の全体像をまとめたページで先に押さえておくと、この後の買い物がぶれません。

迷ったら急ぎ・お試し・費用の3つで絞る

保険の対象外だと分かった用具は、自分の事情に照らして窓口を選びます。判断の軸は3つで、すぐ必要か・合うか試したいか・費用を抑えたいか、です。

今日中に必要な消耗品なら在庫のある身近な店、じっくり比べたいなら専門店や通販が向いています。合うか分からない大型の用具は、買い切りより保険レンタルで試してから決めると失敗が減るでしょう。買い切りと保険レンタルのどちらが向くかは、使う期間で見分けられるので、迷ったら介護用品のレンタルと購入の使い分けもあわせて確認してみてください。そもそも何を買えばいいか定まっていないなら、用具ごとの選び方をまとめたカタログで当たりをつけてから店に向かうと、無駄買いを防げます。順番としては、必要な物のリストづくりが先で、窓口選びはその後です。

POINT

入手ルートは6つ。まず「保険が使えるか」で分け、対象なら指定事業者経由、対象外なら急ぎ・お試し・費用の3軸で窓口を選ぶ。

介護用品専門店で買う

介護用品専門店は、福祉用具を幅広くそろえた実店舗です。実物を見て触って選べるうえ、選び方まで相談できるのが最大の強みになります。ここでは専門店で買えるものと、専門店が向いている家族について見ていきます。

専門店で買えるもの

介護用品専門店では、車いす・歩行器・シャワーチェア・ポータブルトイレなど、生活を支える用具を幅広く扱っています。同じシャワーチェアでも背もたれの有無や座面の高さが違う商品が並び、実物を見比べて選べる点が通販との大きな違いでしょう。

多くの専門店には福祉用具専門相談員が常駐しており、体格や介護度に合わせて候補を絞ってもらえます。カタログの数値だけでは分かりにくい「またぎやすさ」や「握りやすさ」を、その場で確かめながら選べるのは実店舗ならではの利点です。展示品が充実した店なら、家族で見に行って意見を出し合いながら決めるのもよい方法でしょう。

専門店が向いているケース

専門店が向いているのは、何を買えばいいか分からず不安を抱えた家族です。体格や介護度に合うか自信がないときほど、相談しながら選べる窓口が心強く感じられます。

実際に座る・立ち上がる・またぐといった動作を試してから決めたい場合も、専門店が適しています。多くの専門店は介護保険の指定事業者を兼ねているため、保険レンタルや購入の相談まで同じ窓口で済ませられることも少なくありません。価格は量販店よりやや高めのこともありますが、選定の失敗を避けられる安心料と考えれば見合うはずです。初めての用具選びは、まず専門店に足を運んで相談してみてください。

身近な小売店で買う

ホームセンターやドラッグストアといった身近な小売店は、思い立ったその日に買いに行ける手軽さが魅力です。ただし扱う品目には偏りがあり、大型の福祉用具までは望めません。ここではそれぞれの店で買えるものと、身近な店の向き不向きを見ていきます。

ホームセンターで買えるもの

ホームセンターでは、手すり・スロープ・滑り止めマット・杖・簡単な入浴補助用具などが手に入ります。工具や建材と同じ売り場でそろうため、手すりを自分で取り付けたいといったDIY志向の人には便利な窓口でしょう。

ただし品ぞろえは店舗によって差が大きく、車いすや介護ベッドのような専門的な用具は置いていないことがほとんどです。取り付けに壁の下地補強が必要な手すりなどは、買っただけでは安全に使えない場合もあります。体重を預ける手すりが外れれば、かえって転倒事故を招きかねません。施工まで含めて考え、自信がなければ工事を頼める窓口も一緒に探しておくとよいでしょう。

ドラッグストアで買えるもの

ドラッグストアの主役は、大人用おむつ・尿とりパッド・清拭タオルといった毎日使う消耗品です。日用品や薬を買うついでに補充でき、価格も手ごろなので、消耗品のまとめ買い先として重宝します。

一方で、介護ベッドや車いすのような大型の用具は扱っていません。おむつのサイズや吸収量は種類が多く、体に合わないと漏れやかぶれの原因になります。昼と夜で吸収量の違うものを使い分けると、本人も介護する側も楽になります。最初は少量パックで試し、合うものが決まってから大容量のまとめ買いに切り替えると、無駄が出にくくなるでしょう。近くに複数のドラッグストアがあるなら、ポイントや特売日を見て買う店を決めるのも節約になります。

身近な小売店の向き不向き

身近な小売店が強いのは、今すぐ必要な消耗品や小物を、その日のうちに手に入れたい場面です。近所で完結する手軽さは、切らせたくない消耗品の補充と相性がよくあります。

反面、これらの店は保険給付の手続きには対応しておらず、購入費は全額自己負担になります。福祉用具専門相談員のような相談窓口もないため、どれを選ぶべきかの助言は期待しにくいところでしょう。用具選びに迷いがあるなら、身近な店で即決せず、専門店で相談してから買う方が安心です。消耗品は身近な店、選定が要る用具は専門店、と役割を分けて使うのが賢いやり方でしょう。

通販で買う

通販は、自宅にいながら幅広い商品を比べて選べるのが利点です。大手の総合通販と、介護用品にしぼった専門通販とでは、得意なことが少し違います。ここでは大手通販と専門通販の特徴、そして通販で失敗しないための確認点を見ていきます。

大手通販サイトの特徴

Amazonや楽天などの大手通販は、介護用品の品ぞろえが広く、複数の商品を価格順に並べて比べられます。口コミやサイズ表記を読み込めるうえ、重い用具でも自宅まで届くので、店まで運ぶ負担がありません。

ただし実物を試せないため、サイズや体への適合の見極めは自分で行う必要があります。写真で良さそうに見えても、実際に使うと座面が高すぎたということも起こりやすくなります。購入前に寸法を測っておく習慣をつければ、こうした失敗はかなり避けられるでしょう。レビューは参考になりますが、体格や介護度は人それぞれな点も忘れないでください。

介護用品専門の通販サイト

福祉用具メーカーや専門店が運営する専門通販は、商品ごとに選び方の解説が丁寧で、初めてでも判断しやすい作りになっています。電話やチャットで相談できる窓口を備えたサイトもあり、通販でありながら助言を受けられるのが強みでしょう。

保険対象品については、専門通販が指定事業者としてレンタルや購入に対応している場合もあります。大手通販より価格はやや高めのこともありますが、選定を間違えて買い直す手間を考えれば、十分に見合うことが多いです。サイズ選びに不安があるなら、注文前に電話で体格を伝えて助言をもらうと安心でしょう。迷ったら、相談窓口のある専門通販から当たってみてください。

通販で失敗しない選び方

通販で外さないコツは、注文前のひと手間にあります。まず使う人の体の寸法と、置く場所の広さを測っておくことが欠かせません。車いすなら座面の幅、ベッドなら設置スペースを確認してから選びます。

あわせて、返品条件と送料、届くまでの日数も先に確かめておきましょう。急ぎで必要な用具が数日届かないと、介護の現場では大きく困ります。大型の用具は組み立てが必要なこともあるため、設置までの手間も確認しておくと安心です。保険を使いたい用具は、通販で買う前に必ずケアマネジャーへ相談してください。安さだけで選ばず、合わなかったときに返せるかまで見ておくと、後悔が少なくて済みます。

介護保険を使ってレンタル・購入する

介護保険には、福祉用具を借りる仕組みと買う仕組みの2つがあります。どちらも自己負担は原則1〜3割で済みますが、対象になる用具と手続きが決まっています。ここでは貸与で借りられるもの、販売で買えるもの、そして給付を受けるための条件を見ていきます。

レンタル(福祉用具貸与)で借りられるもの

介護保険の福祉用具貸与では、車いす・特殊寝台(介護ベッド)・歩行器・移動用リフトなど13種目がレンタルの対象です。厚生労働省の福祉用具・住宅改修の区分に沿って対象が定められており、要支援や要介護1の軽度な人は、車いすや介護ベッドなど一部の種目が原則として対象外になります。

レンタルの利点は、体の状態が変わって合わなくなったときに交換できることでしょう。買い切ると使わなくなっても手元に残りますが、レンタルなら返して別の用具に切り替えられます。長く使い続けるより、状態が変わりやすい時期の用具ほどレンタルが向いています。まずは担当のケアマネジャーに、対象になる用具を確認してみてください。

購入(特定福祉用具販売)で買えるもの

肌に直接触れるため貸与になじまない用具は、特定福祉用具販売として購入の対象になります。腰掛便座(ポータブルトイレ)や入浴補助用具など9種目が該当し、同じ年度で年間10万円までが保険の対象で、自己負担は1〜3割です。

近年は制度が見直され、固定用スロープや歩行器などレンタルと購入を選べる品目も出てきました。長く使うなら購入、短期間なら貸与というように、使う期間で選べば無駄がありません。どちらが得か迷うときは、ケアマネジャーに使用の見込みを伝えて相談するとよいでしょう。年間の上限を超えた分は全額自己負担になる点も、頭に入れておいてください。

指定事業者を通さないと保険は使えない

見落としやすいのが、保険給付には買う場所の条件がある点でしょう。福祉用具の保険給付は、都道府県などの指定を受けた事業者から購入・レンタルした場合に限られます。

同じポータブルトイレでも、ホームセンターやネット通販で買えば全額自己負担、指定事業者から買えば1〜3割負担と、負担額が大きく変わります。保険を使いたい用具は、購入前にケアマネジャーへ相談し、指定事業者を紹介してもらってから進めましょう。

注意

「安いから」とネット通販で保険対象品を先に買ってしまうと、後から保険は適用できません。保険を使う用具は、買う前に必ずケアマネジャーへ相談してください。

中古・リサイクルでそろえる

中古やリサイクルは、費用をできるだけ抑えたい家族にとって有力な選択肢です。ただし用具によって、中古に向くものと避けたいものがはっきり分かれます。ここでは中古で選ぶ際の線引きと、扱う場所、そして手放し方を見ていきます。

中古で買えるものと避けたいもの

車いす・歩行器・介護ベッドのように大型で高価な用具は、中古で買えば費用を大きく抑えられます。金属フレームが中心の用具は劣化が目で分かりやすく、状態のよい品を選べば新品同様に使えることも珍しくないでしょう。

一方で、肌に直接触れる便座やパッド、体重を預ける手すりは、衛生面や劣化のリスクから中古を避けた方が無難です。 こうした用具は見た目で傷みが分かりにくく、思わぬ事故につながることもあります。とくにブレーキやネジといった安全に関わる部品は、劣化していないか念入りに見ておきたいところです。中古を選ぶときは、使用歴や消耗部品の状態を確認できるものにしぼると、はずれを引きにくくなります。

中古を扱う場所

中古の介護用品は、リサイクルショップ・フリマアプリ・福祉用具の買取専門店などで手に入ります。買取専門店は清掃や点検を済ませた品を扱うことが多く、個人間のフリマより状態が安定している傾向です。

自治体や社会福祉協議会が、使わなくなった用具を無料や格安で貸し出している地域もあります。こうした窓口は知られていないだけで、意外と身近にあることも多いものです。まずは住んでいる市区町村の窓口に問い合わせてみましょう。なお中古品は介護保険の給付対象外で、全額自己負担になる点は覚えておいてください。保険が使える用具なら、中古を買うよりレンタルの方が安く済むこともあります。

使わなくなった用具を手放す

介護の状況が変われば、使い終えた用具をどう手放すかも課題になります。状態のよい用具は、買取店やフリマアプリを通じて次に必要な人へ渡せます。処分するだけでなく、いくらかの金額に換えられる場合もあるでしょう。

大型の用具は、自治体の粗大ごみか回収業者で処分するのが一般的です。処分費用がかかることもあるため、購入時から手放し方まで見込んでおくと出費を抑えられます。もともとレンタルで借りていた用具なら、返却するだけで手元に残らず、処分の手間そのものがありません。使う期間が読めない用具ほど、出口まで考えて入手方法を選んでおくと、後が楽になるでしょう。

買う前に「保険が使えるか」を確かめてから動く

介護用品の入手ルートは、専門店・ホームセンター・ドラッグストア・通販・介護保険レンタル・中古の6つがあります。それぞれ価格や相談のしやすさが違うため、品目ごとに向いた窓口を選ぶのが賢い買い方でしょう。

最初に確かめたいのは、その用具が介護保険の対象かどうかです。対象なら指定事業者を通せば自己負担1〜3割で済み、対象外なら急ぎ・お試し・費用の3つの軸で窓口を選びます。すぐ必要な消耗品は身近な店、じっくり選びたい用具は専門店や通販、費用重視なら中古が候補になります。

まずは手元の「そろえたい用具リスト」を保険対象とそれ以外に分け、対象品はケアマネジャーへ相談することから始めてみてください。

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