お風呂・浴室のバリアフリーリフォーム|またぎ高さ・手すり・段差解消

リフォームで直す

親が入浴している時間が長いと、脱衣所の外で耳をすませてしまう。そんな家族は少なくありません。浴室は毎日使う場所なのに、家の中でもとりわけ危ない条件がそろっています。

床は濡れて滑り、浴槽をまたぐには片脚で立たなければならず、裸のまま寒い空気にさらされる。この3つが重なるので、浴室では転倒だけでなく、浴槽の中で溺れる事故まで起こります。手すりを1本足すだけで済む場合もあれば、浴槽ごと替えたほうが早い場合もあり、どこから直すべきかは家の状態によって変わるものです。

そこで、浴室で事故が起きやすい理由から、またぎ高さ・段差・手すり・床材・暖房といった工事の中身、介護保険の住宅改修で対象になる範囲、工事せずに試せる入浴用具までをまとめました。実家のお風呂をどう直すか決める前の手がかりとして役立ててください。バリアフリー工事の全体像から確かめたい方は、バリアフリーリフォームの進め方もあわせて読んでおくと迷いにくくなります。

浴室で事故が起きやすい理由

浴室の危なさは、滑る・またぐ・寒いという別々の要因が同じ数分間に重なる点にあります。ここでは、どの要因がどんな事故につながるのかを見ていきます。

濡れた床と石けんで足がすべる

浴室の床は、水と石けんが乗ることで日常のどの床よりも滑りやすくなります。とくに古い在来工法の浴室に多いタイル張りの床は、表面が硬くて水膜ができやすく、濡れた足裏が接する面積の減ってしまう作りです。石けんやシャンプーの泡が残っていれば、滑る力はさらに強く働きます。

高齢になると、滑った瞬間に足を踏み出して体を立て直す反応そのものが遅くなります。床が硬いぶん、転んだときに腰や頭を強く打ちやすく、骨折から寝たきりへ進む入り口にもなりかねません。まずは実家の浴室に入り、素足で立って床が滑らないか、水を流したときに水がたまる場所がないかを確かめてみてください。

浴槽のまたぎが転倒を招く

浴槽に入るときは、片脚を高く上げて縁をまたぎ、もう片方の脚だけで体を支える瞬間が生まれます。この一瞬は、片脚立ちでバランスを取りながら濡れた床に足を下ろす動きになるので、浴室の動作のなかでもっとも不安定です。脚力が落ちてきた親にとっては、毎日ここで綱渡りをしているようなものだと考えてください。

またぐ高さが高いほど、体を持ち上げる力も、支える時間も長く必要になります。古い浴室に据えられた和風の深い浴槽は、縁の高さが床から60センチ前後になることも珍しくありません。親が浴槽に入る様子を一度そばで見て、縁をまたぐときに壁や浴槽の縁へ手をついていないかを確かめると、支えが足りているかの見当がつきます。

脱衣所と浴室の温度差が体に負担をかける

冬の浴室では、暖かい居間から寒い脱衣所へ移り、熱い湯につかるまでの数分で血圧が大きく上下します。この変動が意識をもうろうとさせ、浴槽の中で沈んでしまう事故につながります。消費者庁の年末年始の高齢者の事故に関する注意喚起では、令和6年に浴槽内での溺死及び溺水などで亡くなった方が7,776人にのぼり、うち65歳以上が7,363人と示されています。

65歳以上の交通事故による死亡者数は2,103人なので、浴槽での溺水はその3倍以上にあたります。同じ資料では、東京消防庁の集計として、令和5年に溺れる事故で救急搬送された65歳以上が460人で、冬場に増える傾向も示されています。転倒だけを心配して手すりを付けても、寒さを放置すれば危険は残ります。浴室を直すときは、滑り止めや手すりと一緒に、脱衣所と浴室を暖める手立てまで含めて考えてください。

お風呂のバリアフリーリフォームの工事内容

浴室の工事は、またぎ・段差・支え・床の4つに分けて考えると、どれが実家に要るのか見当をつけやすくなります。ここでは、それぞれの工事で何がどう変わるのかを説明します。

浴槽を替えてまたぎ高さを下げる

浴槽の出入りが不安なときにいちばん効くのは、浴槽そのものを浅い型に替える工事です。またぎ高さが40センチ前後に収まる浴槽へ入れ替えると、脚を上げる高さが減り、片脚立ちの時間も短くなります。洗い場の床をかさ上げして浴槽の縁との差を縮める方法もあり、浴槽を替えずに済む場合もあります。

またぎ高さを下げる工事は、浴室の動作でもっとも危ない片脚立ちを、そのまま軽くする直し方です。ただし浅くすると湯につかったときに肩まで沈みにくくなるので、深さと出入りしやすさの兼ね合いは家族で相談しておきたいところです。浴槽の交換は費用も工期もふくらみやすいため、まずは業者に浴槽の縁の高さを実測してもらい、何センチ下げられるかを聞いてみてください。

出入口の段差をなくす

洗い場と脱衣所の境には、水を外へ流さないための立ち上がりが設けられていることが多く、ここが日々のつまずきを生みます。この段差は、排水溝へグレーチング(水を流すための格子状のふた)を入れ、排水の能力を確保しながら床を平らに近づける工事でなくせるものです。工期を短くしたいときは、洗い場にすのこを敷いて高さをそろえる方法も選べます。

段差を消すと、車椅子や歩行器のまま脱衣所から洗い場へ入りやすくなり、介助する側の負担も軽くなります。すのこは費用が安いぶん、下に湯垢がたまるので定期的に上げて洗う手間が必要です。家じゅうの段差をまとめて直したい方は、段差解消の工事と費用もあわせて確かめておくとよいでしょう。

手すりを場所ごとに付ける

浴室の手すりは1本あればよいものではなく、支えが要る動作ごとに位置と向きを変えて付けます。国土交通省の高齢者が居住する住宅の設計に係る指針では、浴室の手すりについて、浴室出入り、浴槽出入り、浴槽内での立ち座り、姿勢保持、洗い場の立ち座りのために設けることが示されています。つまり、出入口・浴槽のまたぎ・湯船の中・洗い場と、動作の数だけ支えが要ることになります。

縦向きの手すりは体を引き上げる動作に、横向きは体を移動させる動作に向くので、場所ごとに向きを選びます。親の身長や、どちらの手に力が入るかによって高さも変わるため、実際に入浴する動きを見ながら位置を決めるのが確実です。取り付ける壁の下地が弱いと手すりごと外れる危険があるので、下地の補強が要るかどうかも業者に確かめてもらってください。

床材を滑りにくいものへ変える

タイル張りの床が滑るなら、床材そのものを替える工事が効きます。今の浴室用の床材には、表面に細かい凹凸を付けて水膜を切り、濡れても滑りにくくしたものが出回っています。水はけがよく乾きやすい素材を選ぶと、カビや湯垢の掃除も楽になります。

床を替えると同時に断熱性のある素材を選べば、冬に足裏がひやりとする不快さもやわらぐはずです。工事を急がないなら、まずは滑り止めマットを敷いて様子を見る方法もあります。ただしマットはずれたり端がめくれたりしてつまずきの元になるので、置きっぱなしにせず毎回の使用後に確かめる前提で使ってください。

寒さと出入りを直す工事

浴室の危険は床と浴槽だけに宿るものではなく、扉の重さや空気の冷たさにも潜んでいます。ここでは、出入りと温度差に効く3つの工事を見ていきます。

引き戸へ取り替える

浴室の扉が開き戸だと、開けるときに体を後ろへ引く必要があり、濡れた床の上で重心が崩れやすくなります。引き戸なら横へ滑らせるだけで開くので、体を引かずに済み、手すりを握ったまま開け閉めができる形です。中で人が倒れたときに扉が引っかかって開かない事態も避けやすくなります。

折れ戸から引き戸へ替える工事では、戸を横へ逃がす壁の幅が要るため、脱衣所の作りによっては入らない場合もあるでしょう。壁の幅が足りない場合は、開く向きを外側へ変えるだけでも、倒れた人が扉をふさぐ危険は減らせます。今の扉がどちら向きに開くかを確かめ、中で倒れたときに開けられるかを業者と一緒に見てもらいましょう。

浴室暖房乾燥機で温度差を減らす

血圧の急な変動を防ぐには、浴室と脱衣所をあらかじめ暖めて温度差そのものを小さくします。浴室暖房乾燥機を天井に付ければ、入浴の10分ほど前に運転させるだけで浴室の空気が暖まり、脱衣所との差が縮まります。国交省の同じ指針でも、居室、便所、脱衣室、浴室等の間の温度差をできる限りなくし、ヒートショックを未然に防ぐため断熱及び換気に配慮することが示されています。

脱衣所側には小型の電気ヒーターを置き、浴室と両方を暖めると差はさらに小さくなります。消費者庁の注意喚起でも、前もって脱衣所や浴室を暖めること、熱い湯や長時間の入浴を避けること、浴槽から急に立ち上がらないことが事故防止のポイントとして挙げられています。工事の前に、まず脱衣所へヒーターを一台置いて冬を越してみるのも現実的な一歩です。

ユニットバスへ入れ替える

またぎ・段差・床・扉のどれも直したいなら、浴室をまるごとユニットバスへ入れ替える工事が候補に入ってきます。工場で作った浴槽と床と壁を組み立てる方式なので、またぎ高さの低い浴槽、滑りにくい床、段差のない出入口、暖房乾燥機までが最初からそろった状態で入ります。在来工法の古い浴室にありがちな、タイルの目地から水が漏れて土台が傷む心配も小さくなるはずです。

費用は数十万円から百万円を超えることもあり、工事の間は1週間ほど自宅の風呂が使えません。個別の工事を何度も繰り返すより結果的に安く収まる場合もあるので、直したい箇所が3つ以上あるなら一度見積もりを取って比べてみてください。工事中の入浴をどうするかも、着工の前に業者と決めておくと慌てずに済みます。

浴室の広さと段差の目安

工事の話を業者とするとき、寸法の物差しを持っていると要望を伝えやすくなります。ここでは、国交省の指針が示す浴室の広さと段差の数値を見ていきます。

浴室の短辺は内法1,300mm以上を確保する

介助が要る状態を見越すなら、浴室には人が2人入れる広さが要ります。国交省の指針は基本レベルとして、一戸建ての浴室の短辺を内法寸法で1,300mm以上、面積を内法寸法で2.0㎡以上と示しています。推奨レベルはさらに広く、短辺1,400mm以上かつ面積2.5㎡以上です。

古い家の浴室はこの寸法に届かないことも多く、広げるには壁を動かす工事が要ります。隣の脱衣所やトイレとの間仕切りを動かせるかは家の作りしだいなので、広さが足りないと分かった時点で業者に相談してください。広げられない場合でも、浴槽を小さめの型に替えて洗い場を稼ぐ手が残ります。

出入口の段差は20mm以下に抑える

出入口の段差をどこまで消すべきかにも、指針の数値があります。指針は、浴室の出入口の段差について、20mm以下の単純段差とすることを挙げています。それが難しい場合の別の形として、浴室内外の高低差を120mm以下、またぎ高さを180mm以下とし、かつ手すりを設置したものも示されています。

つまり、完全な平らにできなくても、高低差とまたぎ高さを抑えて手すりで補えば、指針の水準には届く形になります。排水の勾配や配管の位置しだいで、どこまで下げられるかは家ごとに違ってきます。見積もりを取るときは「段差を何ミリまで下げられますか」と数値で尋ねると、業者の答えも具体的になるでしょう。

出入口の幅は600mm以上を空ける

扉の幅は、介助が要るようになったときや、車椅子で近づくときに効いてきます。指針では、日常生活空間内の出入口の幅員を750mm以上とし、浴室の出入口については600mm以上と示しています。推奨レベルでは800mm以上です。

ここでいう幅は、開き戸なら建具の厚み、引き戸なら引き残しを差し引いた通行上有効な幅を指すので、扉の外寸ではありません。古い浴室の扉は有効幅が600mmを切ることもあり、その場合は扉の交換に合わせて開口部を広げる工事が要ります。今の扉を実際に開けて、いちばん狭いところの幅を測っておくと、業者との話が早く進みます。

介護保険で対象になる工事とならない工事

浴室の工事は、介護保険の住宅改修が使える部分と使えない部分がはっきり分かれます。ここでは、どこまでが給付の範囲になるのかを説明します。

手すり・段差解消・床材変更・扉の取替えが対象になる

介護保険の住宅改修は、工事の種類を限って給付する仕組みです。厚生労働省の住宅改修の概要をまとめた資料では、住宅改修の種類として、手すりの取付け、段差の解消、滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更、引き戸等への扉の取替え、洋式便器等への便器の取替え、これらに付帯して必要となる工事が挙げられています。

浴室に当てはめると、手すりを付ける、出入口の段差をなくす、滑りにくい床材へ替える、引き戸へ取り替えるの4つが給付の対象に入ります。壁の下地補強のように、手すりを付けるために欠かせない工事も付帯工事として認められる場合があります。要介護認定を受けているなら、まずこの4つに当たる工事がないかを担当のケアマネジャーと確かめてみてください。

浴槽の交換そのものは対象外になる

住宅改修の種類に浴槽の交換は挙がっていないため、またぎ高さを下げる目的で浴槽を入れ替えても、その費用は給付の対象になりにくいところです。ユニットバスへの全面的な入れ替えも、住宅設備の更新にあたる部分は同じ扱いです。給付の線引きは「浴室を新しくすること」でなく「限られた種類の工事に当たるかどうか」で決まります。

ただし、ユニットバスに入れ替える工事の中に段差解消や手すりの取付けが含まれるなら、その部分だけを切り出して申請できる場合もあるでしょう。どこまでを対象として認めるかは保険者である市区町村の運用によって差が出ます。工事を分けて申請できるかは、見積もりの内訳を作る段階でケアマネジャーと業者に相談しておきましょう。

浴室の工事 介護保険の住宅改修
手すりの取付け 対象になる
出入口の段差解消 対象になる
滑りにくい床材への変更 対象になる
引き戸への取替え 対象になる
手すりのための壁の下地補強 付帯工事として対象になる場合がある
浴槽の交換(またぎ高さを下げる) 対象外になりやすい
浴室暖房乾燥機の設置 対象外になりやすい
ユニットバスへの入れ替え 設備の更新部分は対象外になりやすい

支給限度基準額は生涯20万円

使える金額にも上限があります。厚労省の資料では、支給限度基準額は20万円で、要支援・要介護の区分にかかわらず定額と示されています。実際の住宅改修費の9割相当額が償還払いで支給され、支給額の上限は18万円です。自己負担の割合は所得に応じて決まるため、9割より少ない支給になる方もいます。

この20万円はひとり生涯の枠ですが、要介護状態区分が3段階上がったときや、転居した場合には再度20万円までの枠が設定される仕組みです。浴室だけで枠を使い切ると、あとからトイレや廊下を直すときに残りがなくなってしまいます。家全体でどこから直すかの順番を決めてから、枠の配分を考えるとよいでしょう。制度の細かな条件は介護保険の住宅改修にまとめてあります。

申請は工事の前に行う

住宅改修でつまずきやすいのが申請の順番です。厚労省の資料が示す流れは、ケアマネジャー等への相談、申請書類の一部提出と保険者による確認、施工、完成後の支給申請という順になります。工事を先に済ませてから申請しても、原則として給付は受けられません。

事前に出す書類には、支給申請書、住宅改修が必要な理由書、工事費見積もり書、改修後の完成予定の状態がわかる写真か図が含まれます。完成後には領収書、工事費内訳書、箇所ごとの改修前後の写真などを出します。業者に「介護保険を使いたい」と最初に伝え、書類の段取りまで含めて動いてもらってください。

注意

介護保険の住宅改修で何を対象と認めるかは、保険者である市区町村ごとに運用の差があります。浴槽交換とセットの工事や、暖房乾燥機の扱いはとくに判断が分かれます。契約書に判を押す前に、必ず担当のケアマネジャーと市区町村の窓口に確かめてください。

工事の前に検討したい入浴用具

浴室の困りごとには、工事をせずに用具で解ける部分が思いのほか多くあります。ここでは、工事の前に試す価値のある2種類の用具を見ていきます。

シャワーチェアと浴槽台で立ち座りを助ける

洗い場での立ち座りがつらいなら、まずシャワーチェア(座面の高い風呂用の椅子)を置いてみてください。低い風呂椅子から立ち上がる動作は膝と腰に大きな負担がかかりますが、座面が高い椅子なら少ない力で立てます。背もたれや肘掛けの付いた型を選べば、洗っている間の姿勢も安定するはずです。

浴槽の中に沈み込んで立てないなら、浴槽台を沈めて座面を作る手があります。湯の中で膝を伸ばしすぎずに座れるので、立ち上がるときに使う力が減ります。どちらも工事が要らず、数千円から買えるものもあるので、浴槽の交換を決める前に一度試してみるとよいでしょう。

バスボードで浴槽のまたぎを座って越える

またぎがどうしても越えられないときに効くのが、浴槽の縁に渡して座るバスボードです。縁に腰かけた姿勢のまま脚を片方ずつ浴槽へ入れられるので、片脚立ちの瞬間そのものをなくせます。介助する家族にとっても、支える場面が減り、腰への負担も軽くなるはずです。

浴槽の幅や縁の形に合うかどうかで使えるものが変わるため、買う前に浴槽を実測しておく必要が出てきます。入浴用の用具には介護保険の特定福祉用具販売の対象になるものもあり、条件を満たせば購入費の一部が戻ります。どの用具が合うかは体の状態しだいなので、入浴用品の選び方を見たうえで、福祉用具専門相談員に選んでもらうと確実です。

お風呂リフォームの費用と頼み方

工事の中身が見えてきたら、いくらかかるかと誰に頼むかが次の関門になります。ここでは、費用の幅の見方と、業者に頼むまでの手順を説明します。

費用は工事の範囲で大きく変わる

浴室の工事費は、手すり1本の数万円から、ユニットバスの入れ替えで百万円を超える例まで幅があります。同じ「お風呂のバリアフリー化」でも、部分的に直すのか、まるごと替えるのかで桁が変わってしまいます。古い在来工法の浴室では、解体してから土台の傷みが見つかり、補修費が上乗せになることも珍しくありません。

見積もりを取る前に、直したい箇所に順番を付けておくと、予算に合わせて削る判断がしやすくなります。場所ごとの費用の目安はバリアフリーリフォームの費用相場にまとめてあるので、金額の当たりを付けてから業者に声をかけてください。

ケアマネジャーに先に相談する

要介護認定を受けているなら、業者を探すより先に担当のケアマネジャーへ相談してください。住宅改修には理由書という書類が要り、これはケアマネジャーなどが書くものなので、最初から関わってもらうほうが段取りが早くなります。浴室での動作を実際に見てもらえば、どの工事が今の体に必要かも絞り込めるでしょう。

介護保険の住宅改修を扱い慣れた業者を紹介してもらえることもあります。認定をまだ受けていない段階なら、市区町村の窓口や地域包括支援センターが相談の入口です。工事を思い立ったら、業者の広告を集める前にまず一本電話を入れてみましょう。

見積もりは複数の業者で比べる

浴室の工事は業者によって提案も金額も分かれるので、2社から3社に見積もりを頼んで比べるのが確実です。同じ「段差解消」でも、グレーチングを入れる案とすのこを敷く案では費用も仕上がりも違ってきます。見積書は総額だけでなく、何にいくらかかっているかの内訳まで出してもらってください。

比べるときは、金額の安さより、親の動きを見たうえで提案しているかを重く見るとよいでしょう。現地を見ずに図面と電話だけで金額を出す業者は、着工後の追加費用が出やすくなります。実家の浴室に来てもらい、親が入浴する動きを一緒に見てくれるかどうかを、業者選びの物差しにしてください。

まとめ

浴室は、濡れた床で滑り、浴槽をまたぐ片脚立ちがあり、裸で寒暖差にさらされる場所です。浴槽内での溺死及び溺水で亡くなる方は65歳以上の交通事故死の3倍以上にのぼるため、転倒対策と寒さ対策の両方が要ります。工事の柱は、またぎ高さを下げる、出入口の段差をなくす、動作ごとに手すりを付ける、滑りにくい床材へ替える、引き戸にする、暖房乾燥機を付けるの6つです。

介護保険の住宅改修で対象になるのは手すり・段差解消・床材変更・扉の取替えで、浴槽の交換そのものは対象外になりやすい線引きになっています。限度額は生涯20万円で、申請は工事の前に済ませる必要があります。工事を決める前にシャワーチェアやバスボードで解けないかも試したうえで、ケアマネジャーに相談し、複数の業者に現地を見てもらってから決めてください。関連する工事の中身は段差解消の工事と費用もあわせて役立ててください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました